2016年08月01日

目に見えているかのよ

叔父夫婦は、二人に同じプレゼントを贈るが、真理は手を出してくるが、美咲は手を出す事はない。
「お誕生日おめでとう」

神父は、真理と美咲に声をかけながらケーキには1本のロウソクを立てた。
いくらか、嬉しそうな表情をかべながら、真理と美咲は、ローソクを見つめていた。
真理は、もらったプレゼントを開けはじめるが、美咲は、ローソクの炎をじっと見つめていた。
1本のロウソクは、2人がいつまでも双子の姉妹ある事を示していた。
そして、神父は、真理と美咲を見て、ある事に気がついた。
美咲が、炎を見つめている時、その瞳には、炎ではなく、別なものが映し出されていた。
この気づきが、神父に囁く言霊の囁きからの答えである事を、神父は知った。

神父には、ある能力があったが、美咲にも、同じ能力が備わっているのではないかと思いはじめる。
もし、美咲にも、ある能力があるとするなら、美咲自信で気づくよう導かなければならない。
神父としての役目であった。
神父は、数多くの未知の力が、この世に存在していることを知っている。
真理は、ローソクよりも、プレゼントの方が気になっているようだった。
真理には、美咲のように、瞳に映るものは、そのプレゼントであった。

神父は、美咲だけかと思っていたが、双子なのに「なぜ?」という思いがあった。
一卵性の双子であれば、同じ素質などが備わっているはずなのに、真理は、そのような姿を見せてはいない。
また1年後に、確認する事を神父は考えていた。

真理と美咲は、2人でその1本のロウソクの火を吹き消すと顔を寄せ合い、目と目を合わせ微笑をみせている。
会話ははずんでいるようだが、真理は笑顔で笑い飛ばす。
その姿を見る美咲は微笑を浮かべるだけで会話する事はなかった。
美咲が、表情を変える時は、この6月29日の誕生日だけであるが、美咲も喜んでいたのだろうか。

感情を表に出さない美咲を内科医の叔父夫婦は気にしていた。
この頃の美咲は、この微笑が精一杯の喜びの表現だったのかもしれない。

こんな誕生会が4回続いたが、真理は、美咲と同じ素質を見せる事はなかった。
真理と美咲の輝きに満ちた憂いさ、喜びに、神父や叔父夫婦は心が潤される思いだった。
時は過ぎのは早く、真理と美咲は7才になったが、小さなマリア像を持ち、真理は自ら色々な事を学んでいた。
神父は、真理は3才当時から「自覚」というものを持ち合わせていたように感じていた。

真理に自覚があれば、様々な環境の中で装う事も学習する事も出来ると、神父は思った。

美咲は、7才になっても変化はなく、施設にいても「友」と呼べる存在はないに等しかった。
まわりに他の子供達がいても、ひとり小さな声で、何かを囁き、目に見えているかのように風景の絵を描きはじめ、クレヨンは机の上そのままに。
これから先に、その絵がある出来事に重大な絵画となる。
美咲の絵は、現実にあるものを描いていた事に気づくのは、先の話になる。



Posted by 人の货币を极め、天下无敌 at 14:38│Comments(0)
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